この記事では、手編みで靴下を編んでみたいと思っている方に、編みもの大好きな管理人のすみれが解説します。まずはミニ靴下を編んでみます!
- わかりやすく
- ひとつひとつ説明しながら
- 文章にそって編んでみてください
靴下を編むのは、編みものの中でも難しいのはたしかです。編み方もいろいろあり、調べているだけで靴下編みの沼へ落ちていきそうです笑。
編んでみたいなーと思われる方へ、まずは小さな靴下を一つ編んでみることをおすすめします。
編み始めから編み終わりまで、この記事で解説しますよ。
記事のとおりに編んでいけば、ミニ靴下が完成します!
動画のほうがよい方は、下記の動画をごらんください。ミニ靴下の編み始めから編み終わりまで全部で15分です。音声はありません。
動画
靴下編みについてざっくり解説
編み方はいろいろある
大きく分けて、まずはどこから編みはじめるかで二つに分けられます。
はき口からと、つま先から。
はき口から編むのは、どちらかいうと昔からある方法です。日本の昔の編みもの本では、ほとんどはき口から編む方法が紹介されていました。
つま先から編む方法は比較的新しく、私はアメリカの方の本で知りました。とても合理的で、初心者にはこのほうがわかりやすいと思います。
初心者におすすめなのは輪針でつま先から編むやり方
- とじはぎ、拾い目がない
- 輪針一本で、編み始めから編み終わりまでいける
まず、つま先から編むと、とじはぎがいらないし、拾い目もしなくていいことが多いです。もちろんパターンによって多少の違いはあります。
編むのは好きでも、拾い目やとじはぎが苦手という方もいらっしゃるのでは?
私はまさにそれなので、つま先から編むほうが好きなんです。
ここで一つ、大前提として、編みものが全く初めてという方には靴下編みはちょっと難しいかなと思います。
まずメリヤス編みができる、というのが基本となります。
目を作り、表目と裏目で編むことができ、目を止めることもできる。
そこが靴下編みのスタートラインになります。
もしも全く編んだことがない方は、靴下編みの前に、マフラーやコースターなどの平面のものを編んでみることをおすすめします。
まず一つ編んでみませんか?
靴下編みが難しい理由の一つは、サイズを合わせなければいけないこと。
なので、実際に使うサイズではなく、まずは小さいものを試しに編んでみるのはいかがでしょうか?
小さい靴下を編んで、靴下の編み方をひととおりやってみるのです。
それができたら、次は大きいサイズに進む。ざっくり言ってしまえば、目数と段数を増やせば実際にはけるサイズが編めてしまいますから。
編み方自体を覚えてしまえばこっちのものだと思います。
作り目の練習にもいいと思います!
画像 ミニ靴下の写真
いやいや、もういきなり大きいサイズを編んでみたい!という方は、こちらの記事をどうぞ!
ミニ靴下を編もう 手順①:糸と針
できあがりはこんな大きさ
画像 サイズがわかるように
このサンプルでは、針は3mm(日本規格の3号)、糸は靴下用の海外の糸(LITLGというメーカーのもの)を使っています。
ただ、実際にはくわけではない靴下なので、編み上がりのサイズはあまり重要視しなくていいです。なので、どんな糸でもOK。編みやすいのは合太、並太ぐらいかなと思います。
ほんの少量でできるので、余り糸で編んでみてください。
針は糸の太さに合ったものを
針の号数は、糸の太さに合ったものを選びます。ただ靴下は、ゆるめよりは多少きつめのほうが形がしっかり出ます。糸のラベルに5〜6号と書いてあったら、3〜4号を使うのがおすすめです。
靴下編みは輪に編んでいきます。
その方法としては5本針を使うか輪針を使うか、どちらかになります。
私は輪針をおすすめしています。80cmの長さのものが靴下編みにぴったりです。
ミニ靴下だけなら60cmでもいいのですが、はけるサイズの靴下を編むには80cmあったほうがいいです。
リンク 3号80cm
輪に編むための輪針のこと
今回は輪針を使って、マジックループという方法で編みます。針のコードの両側を少し余らせて、輪に編んでいくのです。
画像 写真
5本針で編むか、輪針で編むかは好みの問題と思います。
私は輪針で編むのが好きなのですが、その理由はこちら。
- 目が落ちにくい
- 輪針一本で、靴下の編み始めから編み終わりまで終わらせることができる
- 外出先で編むとき、他の方に針が当たることがない
日常的に編むときに、これらはとてもよいポイントになると思っています。
以下の編み方説明は、輪針を使いマジックループで編むことを前提としてすすめます。
5本針の方は、甲側と足裏側を二つに分け、それをさらに一本ずつに分けて編んでいただけたらと思います。
ミニ靴下を編もう 手順②:作り目とつま先
トルコ式作り目で編み始める
まずは作り目です。トルコ式作り目(Turkish cast-on)という方法で作っていきます。
靴下は甲側とかかと側に分けて編んでいきます。
それぞれを針A、針B としますね。4目ずつ作ります。
編み方説明(作り目)
針A:表目4
針B:表目4
- 糸の端に結び目を作り、一本の針にかける。
- その針を下側にしながら2本の針を揃えて持ち、作り目の数の回数、ぐるぐると向こう側から手前へかけていく。今回は4回かける。
- 下側の針を右に抜いていき、上側の針(針A)にかかっている目を表目で編んでいく。4目。
- 針を持ちかえて、針Bにかかっている目を表目で編む。4目。
作り目の動画はこちら。
動画
これで作り目ができました。
目を増やしてつま先をつくっていく
両端で目を増やしながら、つま先をつくっていきます。
針Aと針Bの両端で1目ずつなので、それぞれの針で2目、ぐるりと1段で4目増やすことになります。その次の段は増減なしで表目で編みます。
動画
編み方説明(つま先 Toe)
1段目
針A:表目1、右増目1、表目2、左増目1、表目1
針B:表目1、右増目1、表目2、左増目1、表目1
全部で6目ずつ針にかかっていると思います。
針A:表目6
針B:表目6
編み始めがわかりにくくなるので、ここでマーカーをつけてください。安全ピンでも何でもいいですよ。糸始末も、ここでしてしまってもいいです。
写真 編み始めてマーカーつけたところ
この1段目と2段目の編み方を、あと2回繰り返します。
針A:表目1、右増目1、表目4、左増目1、表目1
針B:表目1、右増目1、表目4、左増目1、表目1
全部で8目ずつ針にかかっていると思います。
針A:表目8
針B:表目8
針A:表目1、右増目1、表目6、左増目1、表目1
針B:表目1、右増目1、表目6、左増目1、表目1
全部で10目ずつ針にかかっていると思います。
針A:表目10
針B:表目10
これでつま先ができました。
つま先の編み方動画はこちら。
そのまま増減なしでかかとの手前まで編む
増減せずに、ぐるぐると6段編みます。針Aに10目、針Bに10目で、1段で20目ありますね。
1段目〜6段目
針A:表目10
針B:表目10
画像 足先ができたところ
ちょこんと小さな、足先まで編めましたか?
さあいよいよ、次はかかとです!
ミニ靴下を編もう 手順③:かかと
かかとを編むときはラップアンドターンを
さあ、靴下編みで一番むずかしいところ、かかとです。
かかとの編み方には本当にいろいろな方法があります。
ここでは引き返し編みの1種であるラップアンドターン(Wrap & Turn 略して W&T)を使って形をつくっていきます。
今までは針Aと針Bをぐるぐると編んできましたが、かかとは針Bのみで表裏を返しながら編んでいきます。
針Aにかかっている目は、そのままお休みさせます。
かかとはラップをかけていく前半と、ラップを外していく後半に分けて説明していきますね。
書いてあるとおりに編み進めれば自然とできあがりますので、まずはやってみてください。
ラップアンドターンでかかと前半部分を編む
ラップというのは、編み目の根元へ糸を巻きつけることです。引き返し編みをしていくと立体的になっていくのですが、端のところに穴があきやすくなったりします。それを防ぐため、糸を余分にかけたりして、穴を目立たなくするのです。
ラップのかけ方は動画を見ていただくほうが早いと思いますが、一応文章で説明してみますね。
ラップをかける目の手前まで表目で編み、編み糸を手前にもってきて、次の目を左針から右針へ移す。編み糸を向こうへもっていき、移した目を左針へ戻す。これでラップができた。そのまま編み地を返す(裏側にする)。
動画
ラップをかける目の手前まで裏目で編み、編み糸を向こう側へもっていき、次の目を左針から右針へ移す。編み糸を手前へもどし、移した目を右針へ戻す。これでラップができた。そのまま編み地を返す(表側にする)。
動画
編み方説明(かかと前半)
では編んでいきましょう。まず針Aは表目を編み、そのまま休ませます。
針Bは表目を編んでいき、最後の目にラップをかけてターン(W&T)します。
次の段からは、針Bのみで表裏を返しながら編んでいきます。
1段目
針A:表目10
針B:表目9 W&T
針B:裏目8 W&T
針B:表目7 W&T
針B:裏目6 W&T
針B:表目5 W&T
針B:裏目4 W&T
ここでかかと前半は終わりです。
かかと前半 動画
動画
ラップを外しながら後半部分を編む
次からは、ラップを外して2目一度をし、減目していきます。
場所によっては3目一度になります。
ラップの外し方は動画を見ていただくほうが早いと思いますが、文章でも説明していきますね。こちらも、表目で編んでいる段の表ラップと、裏目で編んでいる段の裏ラップでは違いがあります。
かかっているラップを右針で下からすくうように取り、そのまま左針にかかっている目も下からすくうように取る(2目を取ることになる)。右針にかかっている2目に、左針を入れて、2目一度で編む。表目で2目一度で編めていれば良い。次の目に表ラップしてターンする。
動画
かかっているラップを、編み地の表側を見ながら、右針で下からすくい、左針へかける。ラップの目と、ラップがかかっていた目に右針を入れ、2目一度で編む。次の目に裏ラップしてターンする。
動画
編み方説明
編みながらラップを外していきます。
外したあとに、またラップをするのを忘れずに。
終わりの方で針Aまでぐるりと編み、最後に残していたラップを外します。
7段目
針B:表目4 表ラップ外す 次の目にW&T
針B:裏目5 裏ラップ外す 次の目にW&T
針B:表目6 表ラップ外す 次の目にW&T
針B:裏目7 裏ラップ外す 次の目にW&T
針B:表目8 表ラップ外す そのまま針Aへ
針A:表目10目
針B:表ラップ外す 表目9
これでかかとができあがりました。
ぽこっと出たかかと、可愛いですよね。
次は足首部分を編みますよ。
ミニ靴下を編もう 手順④:ゴム編みと編みどめ
増減なしで足首部分を編む
ここからは増減なしで、表目のみで編んでいきます。
1段目〜7段目
針A:表目10
針B:表目10
あとひといきです!
ゴム編みをする
ゴム編みは、表目をねじりゴム編みで編みます。
針を表目の裏側へ入れて編みます。動画をごらんください。
動画
1段目〜4段目
針A:【ねじり表目1、裏目1】、【】内を5回くりかえす
針B:【ねじり表目1、裏目1】、【】内を5回くりかえす
編みどめは伸縮性がある方法で
いよいよ編み終わりです。
一般的な棒針編みの編みどめはきちんと止められるのですが、少しきつめになります。
ミニ靴下の場合はそれでもいいのですが、はける靴下の練習として編んでいるので、ゆるめに止められる編みどめ方法で編んでいきましょう。
ここでは、Jeny Staimanさんが考案された Jeny’s Surprising Stretchy Bind-off でとめていきます。
普通の編みどめに、糸をかける動作を1回プラスする感じです。
動画
これでできあがりです!
おつかれさまでした!
ちいさい靴下、かわいく編めたでしょうか?
靴下編みの世界は楽しくて深い
靴下用の糸が素敵すぎる!
画像 靴下の糸
編みもの好きな方は、糸も好きだろうと思います。糸もどんどん進化して素敵なものが生み出されています。私は、海外の手染めの糸が今一番好きで、つい買ってしまっています。
海外の靴下用の糸はとてもたくさんの種類があって、本当にわくわくします。メリヤス編みで編んでいくと自然と模様が出てくるものなど、楽しく編める糸もいろいろあります。
だいたい、ウール80%でナイロンなどを20%混紡しているものが靴下用の糸(ソックヤーン)として販売されています。でも私は、ウール100%のものでも色が素敵なら買ってしまいます。耐久性の問題もありそうですが、普段用でなくおしゃれ用として買ったりします。
手染めの糸もたくさんの種類があります。微妙な色の幅が魅力的です。個人で染めておられるダイヤーさんもたくさんおられます。日本でも染めておられる方が増えてる印象です。手染めでしか出せない風合いがなんともいえず素敵で、つい買ってしまいます。
リンク 靴下用の糸について
リンク 靴下用の素敵な糸が買えるオンラインショップを紹介しています
デザイナーによって編み方が違うところも興味深い
画像 くつした画像
靴下のすてきなデザインのレシピを見るのはとても楽しいです。
編み方はデザイナーによっていろいろです。つま先から編むもの、はき口から編むもの。
かかとも本当にいろいろな種類があるんです。いろいろな方法で編めるようになりたいなと私も修行中です。
はじめてのものは果たして自分に編めるのか不安になることもありますよね。でも、新しいものへの挑戦は楽しいなと思います。もし間違えたら、ほどいて編み直せるのが編み物のいいところですよね。
リンク 私が編んだくつした一覧
リンク おすすめ靴下パターン
リンク かかといろいろ一覧ページ
編みもの交流サイト Raverly
画像 サイト画像
編みものをしている方なら一度は聞いたことがあると思いますが、Raverly という編みもの好きな方々の交流サイトがあります。
デザイナーさんはレシピを販売しているので、好きなものを買うことができます。無料のものもたくさんあります。サンプルがどの糸で編まれているのか調べることもできるし、自分が編んだものをリストとして残していくこともできます。
糸を販売しているお店や、デザイナーさんが自分の交流グループを持っていることもあるので、そこに参加すると楽しい情報を得ることもできますよ。
記事リンク raverly について詳しくはこちら
靴下編みには文章パターンのほうがよいかも
つま先から編む方法をはじめ、靴下編みも進化しています。海外のほうが情報量が多く、何より英語で書かれたパターンで編めるようになれば世界が広がりますよね。
英語の編みものパターンは文章で書かれています。慣れていけば、編むのは難しくありません。いくつかの略語をおぼえれば、すいすい行けると思います。
日本の編みものショップでも、翻訳した文章パターンを提供しているところが多いです。
そういうものを編んでみて文章パターンに慣れるのもよいと思います。
リンク 文章パターンをすすめるわけ
私が書いた靴下レシピを販売しています
ふだん使えるような、ごくシンプルな靴下を自分で編む。そういう生活がとてもいいなぁと思います。いろいろ靴下を編んでいくうちに、自分にぴったりくるパターンを作りたいと思うようになってきました。まだ少ししかありませんが、つま先から編むものを中心に作っています。
ごくシンプルなメリヤス編みの靴下と、あとは簡単な模様編みのものもあります。
私はもう還暦なのですが、ガーリィなものが大好きです。さすがに服は普通に大人服を着ておりますが、靴下は遊べるアイテムと気づいてからは好きな可愛い系をはいています。
まずは好きな靴下を編み、それに合わせて着るものを考えるのはとても楽しいです。
パターンは、ミニ靴下の編み方でご説明したような日本語の記述式です。模様があるものはチャートものせています。まだ少ししかありませんが、これから増やしていきます。
下記で販売しています。どうぞよろしくお願いします。
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それぞれ、編み方の解説記事を書いています。よろしければどうぞ。
リンク シンプルくつした
リンク なわあみくつした